Home > 教えて薬剤師さん > ステロイド剤の基礎知識と上手な使い方 > ステロイド外用剤は家庭の常備薬!

教えて薬剤師さん

ステロイド外用剤は家庭の常備薬!

キズの手当てや風邪、頭痛などの症状は、家庭にある常備薬で対処する方が多いのではないでしょうか。よくある湿疹・皮膚炎も、身近な薬で治せればウレシイですね。今回は、ステロイド外用剤を正しく使い、皮膚トラブルを家庭で早く、そしてキレイに皮膚トラブルを改善する方法をアドバイスします。

湿疹・皮膚炎にステロイド外用剤が役立つ理由
湿疹・皮膚炎は赤いブツブツや腫れ、かゆみなどの症状をともなう皮膚トラブルですが、なかでもやっかいなのが、ついついかき壊してしまう「かゆみ」ではないでしょうか。

皮膚トラブルのかゆみを抑える成分には、抗ヒスタミン成分、鎮痒成分、局所麻酔成分などがありますが、これらはかゆみを一時的に抑えることはできても、かゆみの原因である「炎症」を充分に抑える効果は期待できません。

一方、よく耳にする成分であるステロイド外用剤は強い抗炎症作用を持つため、かゆみのもとである炎症をイッキに鎮めることが可能です。かゆみをガマンできずにかき壊すと、皮膚のバリア機能が破壊されて細菌が繁殖しやすい状態になりますが、そんなときは抗生物質の配合されたステロイド外用剤が悪化を防いでくれます。

薬局では、一般のステロイド外用剤だけでなく、化膿した部位にも使える抗生物質配合のステロイド外用剤を購入することができます。「早く、キレイに治したい」という思いに対応してくれる薬剤として、覚えておくといいでしょう。
あれば安心、こんな症状にも~春・夏編
春~夏の紫外線や発汗は、急な皮膚トラブルの元 湿疹・皮膚炎は1年を通じて起こりやすい皮膚トラブルです。春から夏にかけては気温・湿度が上昇するため、肌の露出が増えたり、発汗や紫外線の影響を受けることで、次のような皮膚トラブルが起こりやすくなります。

■虫刺され
蚊やノミ、ダニなど室内にいる虫をはじめ、クモや毛虫、蜂に刺されて皮膚に炎症を起こし、痛みや腫れが強く出ることもあります。突然被害にあいやすいので、アウトドアを楽しむときは応急処置ができるよう、準備を万全にしてから出かけましょう(「虫にさされたら、どうする?」を参照)。

■あせも
汗が皮膚にたまることで生じる皮膚トラブルで、かゆみを伴う赤いブツブツが汗のたまりやすい部位にたくさん現れます。小さいお子さんでは汗をかきやすい上に、かゆみがガマンできないため、かき壊してとびひになることもあります(「子どものあせも、ほうっておくとどうなるの?」を参照)。

あれば安心、こんな症状にも~秋・冬編
秋から冬にかけて、気温や湿度の低下で皮膚のバリア機能が低下。皮脂の少ないすねや背中などは乾燥してやすくなる 秋~冬は気温や湿度の低下により皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすい状態となります。このシーズンは、虫さされや日焼けのように突然起こるものというより、日々悩まされるタイプのトラブルが多いようです。

■乾燥肌
気温が下がって血液の循環が悪くなり、体のすみずみまで栄養が行き渡らなくなって生じる皮膚トラブルです。とくに「すね」や「背中」など皮脂の少ない部位が乾燥しやすく、カサカサしてかゆい皮膚をかくことで粉をふき、炎症が起こりやすくなります(「冬の肌トラブル~乾燥肌の原因と対処法」を参照)。

■洗剤かぶれ(手湿疹)
洗剤や水の刺激をくりかえし受けて皮膚のバリア機能が低下し、炎症を起こす皮膚トラブルです。指先などに赤いブツブツができ、悪化するとただれやひび割れを起こし、出血することもあります。水仕事の多い職業の人や家事をする方に多く見られます(「症例図鑑「洗剤かぶれ」」を参照)。

■しもやけ
血液の循環が悪くなることで手足の先や耳たぶ、鼻など体の末梢に赤い発疹や腫れが生じ、かゆみや痛みを伴う皮膚トラブルです。別名凍瘡(とうそう)とも呼ばれ、雪山など特別な環境でなくても、日常的な寒さにさらされることで生じます(「赤くてかゆい!しもやけの症状と対処法」を参照)。
正しく使ってこそ効果あり。こんな使い方はNG!
ステロイド外用剤を家庭で使うときは、正しい知識を持って、正しい使い方をすることが大切。適量を守って疾患部位以外に使わないこと 今回、1年を通して起こりやすいさまざまな皮膚トラブルをご紹介しましたが、いずれもステロイド外用剤の効果が期待できる症状です。

ステロイド外用剤はその強いはたらきで早く、しっかりと炎症を抑える薬ですが、家庭で使用する場合には正しい知識を持って、正しい使い方をすることが大切です。お子さんやご高齢の方が使われる場合は、ご家族の方がアドバイスをしたりそばで見守るなどするといいですね。

■ダラダラと使わない
5~6日続けて塗っても症状が改善しなかったり、悪化するような場合は使用を中断して下さい。ステロイド外用剤の適応でなかったり、医師による専門的な治療が必要な疾患の可能性があります。

■適量を守る
チューブから大人の人差し指の第一関節の長さまでを出し、大人の手のひら2枚分くらいまでの広さに伸ばして塗るのが適量です。それを目安とし、患部の広さと比較して使用量を決めましょう。患部が手のひら2~3枚を超える場合、ご自身で治療できる範囲を超えていると考えられるため、医師による専門的な治療を受けて下さい。

■疾患部位以外に使わない
ステロイド外用剤は、「炎症が起きている部位」に使用することでその効果を発揮します。トラブルの生じていない部位にまで塗り広げないよう、注意しながらていねいに塗りましょう。

■予防的に使わない
上記と同じ考えで、健常な皮膚にあえてステロイド外用剤を使用する意味はありません。間違った使い方をすると、思わぬ副作用を受けることもあります。

■こんな疾患にはNG
真菌やウイルスによる疾患への使用はNGで、水虫や帯状疱疹、ヘルペスなどにはそれぞれの症状に適した薬剤が必要です。抗真菌剤(水虫薬など)、抗ウィルス剤(口唇ヘルペスの薬)などを使用し、症状が重くなかなか治らない場合は医師、薬剤師に相談することをおすすめします。

真菌やウイルスによる疾患への使用はNGで、水虫や帯状疱疹、ヘルペスなどにはそれぞれの症状に適した薬剤が必要です。抗真菌剤(水虫薬など)、抗ウィルス剤(口唇ヘルペスの薬)などを使用し、症状が重くなかなか治らない場合は医師、薬剤師に相談することをおすすめします。

【関連記事】
「虫にさされたら、どうする?」
「子どものあせも、ほうっておくとどうなるの?」
「日光(紫外線)皮膚炎になったら、どうする?」
「「かぶれ」や「アレルギー反応」はなぜ起きる?」
「冬の肌トラブル~乾燥肌の原因と対処法」
「症例図鑑「洗剤かぶれ」」
「赤くてかゆい!しもやけの症状と対処法」

ステロイド剤の基礎知識と上手な使い方