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乳児・子どもに見られる皮ふの病気と特徴

乳児・子どもに見られる皮ふの病気と特徴

赤ちゃんや子どもの皮膚の湿疹・かぶれ・かゆみ、その症状と経過について説明します。
赤ちゃんや子どもに日常よく見られる皮膚の病気には、乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、あせも、虫さされ、じんましん、おむつかぶれ、みずいぼ、皮膚カンジダ症などがあります。

汗疹(俗称あせも)

汗疹(俗称あせも)

特徴

「あせも」は、汗腺が詰まって発汗が妨げられ、汗が皮膚にたまることで起こる疾患です。

■「あせも」と間違いやすい“汗によるかぶれ”

汗をよくかく部位にブツブツができると「あせも」ができたと思われがちですが、汗が刺激となってかいてしまい、炎症を起こしたものは「汗によるかぶれ」で、本来の「あせも」とは異なる疾患です。

症状

疾患のでやすい場所

首、わきの下、おむつがあたる下腹部、頭、額の生えぎわなど、汗をかきやすくて、かいた汗がたまりやすいところによくみられます。
正常に分泌されない汗が、周りの組織に漏れ出して、水ぶくれやかゆみを伴い、赤くブツブツ(汗疹)となります。

原因

乳幼児は小さい体でも汗腺の数はほぼ同じですが、小さな面積に汗腺が密集しており、汗を多くかきやすいため、「あせも」はよく見られます。

治療

・軽い症状の場合は、まめに行水やシャワーを使って、皮膚を清潔に保つことで自然に治ります。
・炎症がある場合は、ステロイド外用剤で治療を行います。


おむつかぶれ

おむつかぶれ

特徴

おむつをあてている部分にできる、皮膚のかぶれです。
カンジダに感染して起こるものとの鑑別が難しいため、注意しましょう。

症状

疾患のでやすい場所

おむつに覆われている部分が赤く腫れ、小さい水ぶくれやただれができ強いかゆみを伴います。

カンジダ感染ではうすい痂皮(かひ)で覆われ、その周辺の皮膚がオブラート状にむけます。

原因

長時間おむつをしていることが原因です。尿中のアンモニアや便が刺激となって起こります。

治療

おむつを頻繁に交換しましょう。
軽症では患部をぬれたタオルで清潔にし、ウィークランクのステロイド外用剤で治療します。

症状がひどい場合やカンジダ感染が疑われる場合は、お医者さんに診てもらいましょう。

なかなか治らないときは、カビの感染が原因の皮膚カンジダ症の可能性もあります。この場合、ステロイド外用剤を塗布すると悪化しますので、皮膚科を受診してください。


虫さされ

特徴

春先から夏にかけて多くみられます。
吸血性の蚊、ノミ、ブユ、ダニや、毒をもったハチ、アブ、クモ、毒蛾、毛虫などに刺されることで、皮膚に炎症を起こします。原因となることが多いのは、蚊、ノミ、ブユ、ダニなどです。

症状

強いかゆみがあります。腕や足に虫に刺されたような赤いブツブツがみられ、小さい水ぶくれができてくることもあります。

原因

乳幼児は虫さされに対する免疫が不十分なため、蚊やノミやブヨなどに刺されると、過敏に反応したためと考えられています。

治療

ステロイド外用剤を塗り、かき壊さなければ徐々によくなります。痛みがあって腫れがひどい場合にはお医者さんに診てもらいましょう。
かゆみが強いときは、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を服用する場合もあります。

予防対策として肌の露出を少なくして、ノミやブヨ、蚊などに刺されないように注意すること、防虫スプレーを使うことも有効です。


アトピー性皮膚炎

特徴

左右対称に湿疹で、ひじやひざの内側にできるのが特徴的です。ひどくなると全身に広がります。
年齢(乳児期、幼小児期、思春期・成人期)によって好発部位や症状が変化します。
多くは思春期前に軽快しますが、10~20%は成人後も継続します。

症状

症状のでやすい場所

乳児期では頬にジュクジュクした発疹がでて顔全体に広がり、さらに体や手足にも広がります。
年齢とともに慢性化して、皮膚が厚くなり、粗くかさかさになった状態になります。強いかゆみを伴います。
季節的には、夏にジュクジュクし、冬は乾燥してカサカサする傾向があります。

原因

アトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)と乾燥肌を体質にもった人(主に乳児)に、環境からの刺激が加わって起こる湿疹です。

治療

お医者さんに診てもらいましょう。
治療の基本は、原因・悪化因子を見つけてその対策をたてること、スキンケア、ステロイド外用剤を中心とした薬物療法からなります。先生の指示に従いじっくり治療をしましょう。

<日常生活のポイント>

衣服は・・・
・チクチクしない素材で、軟らかく、汗を吸いやすい木綿や絹を選びましょう。
・新品の衣類や、夏や冬に押し入れにしまっていた衣類は身に着ける前に必ず洗濯しましょう。
・洗濯する時は洗剤が残らないようよくすすぎ、日にあてて干しましょう。

夏は・・・
・特に汗をたくさんかく時期は、頻繁に入浴またはシャワー浴を行いましょう。
・海水浴やプールの後は、シャワーできれいに流しましょう。
・虫よけスプレーなどで予防する、虫の多い場所は避けるなど
虫にさされない工夫をしましょう。

冬は・・・
・空気が乾燥しているので、皮膚がカサカサになりかゆみの原因になります。
特にアトピー性皮膚炎の皮膚は水分が少なく乾燥しがちです。
保湿剤を使って皮膚をしっとりさせましょう。
(保湿剤は人によっては合わないものもあります。)

夜間は・・・
・寝てる間にかいて、症状を悪化させる恐れがあります。爪は短くし、爪先は丸めるようにしましょう。
・できるだけ肌が露出しないような衣服を身に着けて皮膚を傷つけないようにしましょう。


じんましん

特徴

かゆみとともに、突然皮膚が赤くなり、もりあがったように見えます。かゆいところをかくと赤くみみずばれができます。多くは数時間以内で痕を残さずに消失します。
1ヶ月以内で治まるものを「急性じんましん」、1ヵ月以上繰り返すものを「慢性じんましん」といいます。

症状

ほとんどがかゆみを伴いますが、チクチクするような痛みや、焼けるような痛みを伴うこともあります。
大きさや形は、2〜3mmの円形、楕円形のものから、直径10cm以上の地図状のものまでさまざまです。

原因

かゆみを起こすヒスタミンなどの物質が、なんらかの刺激によって体の中にできることで起こると考えられています。
アレルギー性(食物、薬品、植物など)タイプと、非アレルギー性(機械的刺激、温度、日光、ストレス、汗など)タイプがあり、前者の多くは急性、後者の多くは慢性の経過をとります。

治療

原因がよくわからない場合は、まずお医者さんに相談しましょう。軽度から重度まで、いろいろな症状がありますので適切な治療・薬物選択が必要です。
原因を見つけて除去しますが、じんましんの大部分は原因を特定できないといわれています。
かゆみを取るために抗ヒスタミン薬を内服します。
かいて湿疹ができた場合はステロイド外用剤で治療します。


皮膚カンジダ症

皮膚カンジダ症

特徴

皮膚がこすれやすい部分に多く発症します。
乳児の場合、おむつかぶれやあせもと間違いやすい疾患ですから、注意しましょう。

症状

わきの下、手や足の指の間、内股、乳房下など通気の悪い部分が感染しやすく、乳児寄生菌性紅斑(おむつ部位に生ずる皮膚カンジダ症)はその代表的なものです。
患部は赤くはれ、水疱やただれができます。またジュクジュクし、白くうすい皮で覆われ、かゆみを伴います。

原因

カンジダという真菌の感染で起こります。

治療

外用の真菌薬で治療します。お医者さんに診てもらいましょう。


みずいぼ

特徴

丸くてツルっとした、あわ粒くらいのやわらかいブツブツができて、徐々に増えて広がります。
1~6才の乳幼児に多く見られ、感染力が強い疾患です。

症状

光沢がある直径1〜5mmくらいの皮膚と同じ色のブツブツが全身に多くできます。
ブツブツの真ん中はえくぼのようにへこんでいます。
ブツブツはつぶすと、白いかゆ状のものがでて治ります。できたものがほかの皮膚に付着すると伝染し、またブツブツができてどんどん増えていきます。

原因

伝染性軟属腫ウイルスの感染が原因です。
感染性が強く、スイミングプールなどでうつることが多いようです。

治療

お医者さんに診てもらいましょう。

特別なピンセットでみずいぼを1つずつつまんで内容物をしぼりだします。
放っておくと数が増えますので、みずいぼを見つけたらすぐに皮膚科で除去してもらうことをおすすめします。


しもやけ

しもやけ

特徴

「しもやけ(霜焼け)」とは、身体の一部が冷えたために、膨れて硬くなったり、その部分がかゆくなったり熱くなるような感覚を覚える現象です。
しもばれ(霜腫れ)、しもくち(霜朽ち)、凍瘡とも呼ばれます。

症状

疾患のでやすい場所

寒さのために血行が悪くなり生じる炎症のことであり、手、指、足に発症しやすく、肌が外気に露出している頬や鼻先や耳たぶもしもやけになりやすい部位です。
室内などであたたかくなるとかゆみが強くなります。

原因

近年では、栄養状態の改善、衣類の防寒機能の向上、暖房設備の充実など生活環境がよくなり、しもやけは非常に少なくなったと言われています。また、洗剤かぶれやひび、あかぎれを、しもやけと混同されていることも多いようです。

治療

ビタミンEなどの血行促進成分を配合した保湿剤を用います。
かゆみや炎症が起こっている場合には、ステロイド外用剤で炎症を抑えます。
同時に、ビタミンE内服薬などで、血行を改善するとよいでしょう。

症状が軽い時、原因がはっきり分かった時は、早めにセルフケア

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