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冬本番!に備える乾燥肌Q&A

冬本番!に備える乾燥肌Q&A
本格的な冬の訪れとともにやってくる、さまざまな皮膚トラブル。1年でもっとも厳しい寒さを迎えるこの時季に、お肌が悲鳴をあげている人も多いことでしょう。

今回は、多くの人が悩んでいる「乾燥肌」について改めてポイントをおさらいするとともに、乾燥肌に悩んでいる人にも、また乾燥肌予防を心がけている人にも必見の「乾燥肌対策Q&A」を解説します。

冬本番!ぶるっとくる寒さが肌を襲う

「冬本番」という言葉を実感する季節になりました。日本列島には強い寒気が流れこむ日が続き、街中にはロングコートやダウンジャケットを着込んだ人が目立ちます。鍋料理や雪景色など、この季節ならではの楽しみもありますが、寒さが厳しくなるとともに肌の乾燥がひどくなり、さまざまな皮膚トラブルに悩まされている人も多いのではないでしょうか。

冬になって空気が乾燥すると肌はつっぱり、カサカサした状態になります。この段階で保湿剤などによる適切なケアを行うのが理想的ですが、多くの人は「冬だから仕方がない」と放置しがち。そして、はじめのうちは一般的な乾燥肌に過ぎなかったのが、ケアを怠ると掻き壊し、湿疹化していくのです。

早い段階での乾燥肌対策を怠ると、しだいに肌が赤みを帯び、肌表面がはがれて白く粉をふいたようなものが見られたり、ブツブツとした湿疹が出来る「皮脂欠乏性湿疹」へと進行します。湿疹が出来た肌はバリア機能が低下しているため、外界からの刺激がダイレクトになって敏感に反応しやすくなり、かゆみを伴うようになります。

「皮脂欠乏性湿疹」の段階で強い抗炎症作用のあるステロイド外用剤を用いるなどして適切に対処しないと、さらに症状は進んでいきます。この「皮脂欠乏性湿疹」が悪化した場合に生じる皮膚トラブルの1つに、あまり知られてはいませんが「貨幣状湿疹」という皮膚炎があります。

冬の乾燥肌から引き起こされやすい、貨幣状湿疹とは?

乾燥肌対策を怠ると、「皮脂欠乏性湿疹」や「貨幣状湿疹」などに進行してしまうことも・・・

貨幣状湿疹はその名のとおり、見た目が貨幣(コイン)のような円い形をした湿疹を伴う皮膚トラブルのことを言います。その湿疹は健常な肌との境界がはっきりしており、腕や足の内側、お尻の部分に出ることが多いとされています。

最初は赤い、円形の湿疹が現れ、しだいにこの湿疹は水疱を伴うようになります。貨幣状湿疹は痒みが強いため、ガマンできずについ掻いてしまいます。そして掻き壊すことで傷口が悪化し、細菌が繁殖してジュクジュクと化膿した状態になります。このとき、傷口では細菌がどんどんと繁殖しているのです。

湿疹や皮膚炎の治療にはステロイド外用剤が用いられますが、ステロイド外用剤にも抗生物質が入っているものと、入っていないタイプの2種類があります。

抗生物質が配合されているステロイド外用剤であれば、ステロイド成分がかゆみや湿疹などの炎症を抑えると同時に、抗生物質成分が細菌の増殖を防いでくれます。ジュクジュクと化膿した貨幣状湿疹には、抗生物質が配合されたステロイド外用剤を使用すると良いでしょう。

冬の厳しい乾燥から肌を守り、トラブルを悪化させないためには、常日頃から適切なスキンケアを心がけることが重要です。

今からでも遅くない、乾燥肌にまつわる基本的な知識やお薬の使い方など、役に立つ情報をお伝えします。

乾燥肌Q&A~<日常生活における対策>編

Q:冬になって肌が乾燥すると、かゆくなるのはどうしてですか?

A:保護膜の機能が失われ、刺激物質をシャットアウトできなくなるからです。
肌の表面には、汗と皮脂が混ざってできる、いわば天然の保護クリームがあり、外界からの刺激をシャットアウトする役目を果たしています。ところが、肌が乾燥すると保護クリームができず、外界からの刺激物質(洗剤やアレルゲンなど)がダイレクトに侵入してかゆみが生じやすくなります。

かゆくなるとその部位をかいてしまうため、さらに角質層が荒れてかゆみが強くなるという悪循環をも引き起こす恐れがあります。

Q:食器洗いで手が荒れがちです。ゴム手袋をはめると良いと聞きましたが、煩わしさを感じます。
素手で洗いものをする際の注意点は?

A:まとめ洗いや、皿の油分を拭きとってから洗うなどの工夫が必要です。
手湿疹には、症状を悪化させる刺激やアレルゲンから肌を保護するのが一番ですが、水仕事のたびにゴム手袋をはめるのが煩わしい場合もあるでしょう。素手で食器洗いをするときには、直前・直後にこまめに保護クリームを塗り、なるべくまとめて洗うようにして回数を減らします。

洗う際には、皿の油分を先に拭きとってから洗うなど工夫して、洗剤の量もなるべく控えめにしましょう。室内そのものを乾燥させないよう、冬は加湿器を使うのもおススメです。

Q:乾燥肌のせいで手の指がひび割れしています。
絆創膏で傷口を覆って家事をしても良いでしょうか?

A:貼りっぱなしはやめましょう。使用するなら一時的に。
ひびやあかぎれは、仕事や家事にも支障をきたし辛いものです。しかし、ひび割れた部位に絆創膏を貼りっぱなしにすると、患部がふやけて細菌が増殖しやすくなり、製品に用いられている消毒薬が患部を余計に刺激しかねません。

水仕事などの際に、亀裂部を保護する目的で一時的に使うにとどめると良いでしょう。

(製品の中には、従来医療機関でやけどや床ずれの治療に用いられてきた素材を家庭用に応用し、傷が治りやすい状態を促進するものあります)

Q:冬場に入浴すると肌がかゆくなります。お風呂には入る際の注意点を教えて下さい。

A:熱いお湯や、急な温度変化は避けましょう。
湯船につかると温度刺激によって肌にかゆみを生じるため、湿疹などの皮膚トラブルを抱える人は注意が必要です。とくに42度以上の高温になると刺激性が強まるため、入浴はぬるめのお湯で。肌表面の温度が低い状態から急に温まる状況もかゆみを生じさせやすくなります。

また、体を洗う際にタオルで強くこすると、肌表面を傷つけてかゆみを悪化させます。きめの細かいタオルか素手で洗うのがおススメです。

乾燥肌Q&A~<賢いお薬の使い方>編
横着せず、正しい使用方法を守りましょう!

Q:乾燥肌で肌が白く粉をふき、かゆみを生じてきました。
すぐに皮膚科を受診すべきですか?

A:「セルフメディケーション」という選択肢があります。
最近、セルフメディケーションという言葉をTVなどでよく耳にされるのではないでしょうか。これは、体に不調が現れたらそのつど医療機関を受診するのではなく、軽い症状には自らOTC医薬品(大衆薬)を用いるなどして症状を改善することを指します。

皮膚についても、乾燥肌などの軽いトラブルであれば、薬局やドラッグストアで薬剤師などに相談し、自分にあったお薬を購入すると良いでしょう。5~6日使用しても症状が改善しない場合にはお医者さんに相談して下さい。

Q:乾燥肌で湿疹が生じ、肌がかゆいです。薬局では「かゆみ止め」のお薬を買うと良いですか?

A:湿疹などの皮膚トラブルでは、かゆみのもとである炎症を抑える必要があります。
かゆみ止めのお薬には一時的にかゆみを抑える働きはありますが、かゆみのもとである炎症を抑える効果は期待できません。炎症を治さないと湿疹が悪化してかゆみが増し、掻くことでさらに症状が悪化するという悪循環を引き起こしてしまいます。

肌が乾燥して湿疹とともに赤み、かゆみなどの症状が現れたときには、最初の段階で充分な強さのステロイド外用剤を使用することをおススメします。

Q:乾燥肌の治療にステロイド外用剤を塗る場合、1日に何回塗れば良いですか?

A:症状が強いときは1日3回を目安に。徐々に回数を減らしましょう。
ステロイド外用剤については、副作用を心配して量を少なめにと考える人がいるかもしれませんが、セルフメディケーションで使用されるステロイド外用剤は、適正に使用すれば副作用の心配はほとんどありません。

ブツブツとした湿疹が出たり、かゆみがひどいなど症状が強い場合は1日3回、通常は2回程度塗ると良いでしょう。症状がおさまってきたら徐々に回数を減らすようにします。

患部がジュクジュクして化膿している場合には、抗生物質が配合されたステロイド外用剤が適しています。

Q:ステロイド外用剤を塗るとき、どれくらいの量を塗れば良いですか?
塗る際の注意点はありますか?

A:0.5gを手のひら2枚の面積に使用するのが目安です。
クリームや軟膏の場合は、チューブから0.5g分を押し出し、それを大人の手のひら2枚分の面積に広げて塗るのが目安です。0.5gとは、大人の人差し指の先端から第一関節までの長さをチューブから押し出した量になります。

使用期間はセルフメディケーションでは1週間以内が目安。ステロイド外用剤の吸収率が高い顔や首、陰部はなるべく短期間の使用を心がけて下さい。

Q:肌が乾燥しているので、ステロイド外用剤と保湿剤を一緒に混ぜて塗っても良いですか?

A:品質や安全面から、別々に塗ることをおススメします。
ステロイド外用剤と保湿剤を混ぜると、品質の変化を起こすほか、お薬の作用が増強されるといった恐れが生じます。一緒に使う場合には、湿疹のある部位にステロイド外用剤を、そしてその他の乾燥した部位に保湿剤を、というように別々に塗って下さい。

重ねて塗る場合には、先に肌全体に保湿剤を塗り、それから湿疹部位にステロイド外用剤を塗ることで、ステロイド外用剤が患部以外に広がるのを防ぐことが出来ます。

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