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葉桜に要注意!毛虫刺されの対処法

葉桜に要注意!毛虫刺されの対処法
春から夏にかけて新緑が濃くなると、毛虫の活動も活発となります。毛虫は見た目が不快なだけでなく、深刻な皮膚トラブルをもたらすやっかいもの。なかには毒性が強く、激しいかゆみを引き起こす毛虫もいます。

今回は、これからのシーズンに気をつけたい毛虫について、被害にあったときの適切な対処法について解説します。

頭上のその枝、その葉っぱに要注意!

頭上のその枝、その葉っぱに要注意!

鮮やかな新緑とまぶしい日差しが気持ちのいいシーズン。本格的な屋外でのスポーツやレジャーをはじめ、ガーデニングやウォーキング、小さいお子さんなら公園での外遊びなど、屋外での活動が楽しみなシーズンですね。

同時に増えてくるのが、毛虫による被害です。毛虫はおもに樹木の葉や草花をエサにするため、林業や農業、造園業が営まれているような場所はもちろん、身近な公園や街路樹、庭木にも生息しているのです。

毛虫はその見た目から嫌われることが多いですが、問題なのは、姿の気持ち悪さだけではありません。被害には深刻なものが多く、うっかり触ると激しいかゆみなどのトラブルを生じてしまうのです。毛虫に触れないよう注意したとしても、毛虫の毒針毛(毒をもった細かい針状の毛)は空中を浮遊するため、風に流されて皮膚に付着してしまうこともあります。

これからのシーズン、毛虫被害にあわないためにも、気をつけたい毛虫の生態、生息しそうな場所について知っておきましょう。

600万の毒針毛を持つドクガ(幼虫)、身近なマツに潜むマツカレハとは

まずは毛虫の中でも毒性が強く、ときに大発生することもあるドクガ(幼虫)と、日本に多いマツ類の害虫であるマツカレハについて説明します。

■ドクガ(幼虫)

体長は約40mmでオレンジ色をしており、成長するにつれ黒っぽくなります。広葉樹の葉を好むため、街路樹の下を歩いたり、庭の垣根の手入れをしていると被害にあいやすいとされています。

ドクガ(幼虫)が危険なのは、毒針毛の多さです。体全体に600万本もの細かい毒針毛を持っており、刺されて数分~数時間後にピリピリ感と激しいかゆみ、そして蕁麻疹(じんましん)のような発疹が現れます。ドクガ(幼虫)のかゆみは大人でも耐えがたいほど激しく、2~3週間も続きます。5~6月が要注意。

■マツカレハ

体長は約75mmとやや大きく、銀色に光っているのが特徴です。マツ科の害虫として有名で、日本庭園などに植えられたマツがワラで作った「こも」に巻かれた姿を見かけたことがあるのではないでしょうか。あれは移動するマツカレハを「こも」の中に落とし込み、捕獲するための仕掛けなのです。

毒性はドクガ(幼虫)ほど強くないものの、毒針毛に触ると激痛が生じ、発赤やブツブツがしだいに蕁麻疹(じんましん)のようになって、しつこいかゆみが2~3週間続きます。春~初秋が要注意。

日本で一番痛いイラガ、梅の木を好むウメスカシクロバとは?

危険な毛虫はまだまだいます。ここでは、刺されるととても痛いイラガと、梅をはじめとする果樹を好むウメスカシクロバについて説明します。

■イラガ

体長は約25mmで、濃いシマ模様の入った黄緑色をしており、太く短い体型が特徴です。桜や梅、ケヤキ、カエデなどの幹や枝にくっついており、毒針毛とは違う、見るからに痛そうな毒トゲを身にまとっています。

国内の毛虫ではもっとも痛いといわれており、刺された瞬間に電撃的な痛みが走り、患部は赤くなってブツブツが生じます。痛みは強いものの、ドクガ(幼虫)のような激しいかゆみはありません。7~10月が要注意。

■ウメスカシクロバ

体長は約18mmで、全身は黒っぽくお腹だけ紅紫色で、ずんぐりした体型と白い毒針毛が特徴です。地方では「まんじゅう虫」「はらあか」など、見た目の特徴で呼ばれています。梅、桃、あんずなど果樹の葉を好むため、以前は栽培農家の被害が多かったのですが、最近は一般家庭でも庭木の手入れなどで刺されるケースが増えています。

激しい痛みとともに患部が赤く腫れ、痛みは数時間後に消えますがその後、かゆみが1~2週間続きます。春の季節が要注意。

あわてないで!毛虫被害にあったときの対処法

毛虫に刺されたらあわてず、適切な処置を行うことが重要です。

小さいお子さんの場合、ビックリして反射的に患部をこすりがちですが、こすると毒針毛や毒トゲが皮膚に食い込んだり、被害部分が拡大して症状がひどくなるため、親御さんが冷静に対処してお子さんを落ち着かせましょう。

応急処置として、まずはセロハンテープを用いて毒針毛を取り除きます。マツカレハの毒針毛やイラガの毒トゲは肉眼で見えるので、ピンセットを使うと良いでしょう。

その後、流水で患部を洗い流し、氷や保冷パックで冷やして下さい。

毛虫による皮膚炎・かぶれには、炎症を抑えるステロイド外用剤が有効ですが、毛虫被害はしつこいかゆみが特徴です。

そのためステロイド外用剤の中でもストロングランクのものを選び(「ステロイド外用剤にはどんな種類があるの?」を参照)、早めに、しっかりと症状を抑えたいものですね。

症状がおさまってきても、かゆみが残っているとかき壊してまた症状が悪化しかねません。

皮膚をかき壊してジュクジュクと化膿した状態になってしまったら、炎症を抑えるだけでなく、細菌感染を防ぐ効果のある抗生物質が配合されたステロイド外用剤を選ぶといいでしょう。(ただし、症状が強く、全身に現れるなどした場合は必ず専門医による治療を受けて下さい)。

これからも外出が楽しみなシーズンは当分、続きます。毛虫被害にあわないよう注意するとともに、たとえ被害にあっても適切な処置でキチンと治し、次の外出を楽しみにしたいですね。

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