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年齢別ステロイド外用剤の使い方

症状レベル別ステロイド外用剤の使い方
多くの人が経験する皮膚炎・かぶれなどの皮膚トラブル。たいした症状ではないと思っていたのに、なかなか治らず、症状が悪化した経験はありませんか?

それはもしかしたら、薬の選び方に問題があるのかもしれません。今回は、皮膚炎・かぶれの症状を正しく理解した上で、キチンと、そしてイッキに治すためのポイントを解説します。

「なかなか治らない」には理由がある?

赤いブツブツやかぶれ、皮膚の腫れ。こうした皮膚炎・かぶれは決してめずらしいものではなく、多くの人が日常的に経験するものです。

もしこのような皮膚トラブルが生じたら、あなたはどのように対処しますか?

多くのご家庭では、ちょっとした赤みやブツブツであれば、すぐに医療機関を受診することは少ないでしょう。たいていは家庭の常備薬として置いてある塗り薬を使ったり、薬局でOTC医薬品(市販の医薬品)を買うなどして対処しているのではないでしょうか。

その際、症状に合った薬をキチンと選べていれば問題ありません。しかし中には、「なかなか治らない」「化膿してジュクジュクしてきた」など、症状が悪化してしまうケースもあるようです。

こうした事態に陥らないためには、皮膚炎・かぶれが生じたら、その原因や症状に合わせた正しい薬を選ぶことが重要なのです。

たかが皮膚トラブルと捉えることなく、症状を正しく知って、正しい薬選びをしましょう。

ステロイド外用剤が多くの皮膚トラブルに用いられるワケ

「ステロイド」という言葉はよく聞かれることと思います。ステロイド外用剤は長年にわたり医療現場において使用され、皮膚炎・かぶれなどの皮膚トラブルに伴う症状を改善するOTC医薬品としても販売されてきました。

このように多くの皮膚トラブルにステロイド外用剤が用いられるには、ワケがあります。

まず、薬の効果となる成分である外用ステロイド(合成副腎皮質ホルモン)は、炎症を起こすさまざまなタンパク質ができるのを抑制する働きがあります。さらに、その働きを補強するように、炎症を抑えるタンパク質をつくりだす働きも持っているのです。

こうした外用ステロイドの効果により、今起きている炎症を抑えつつ、次の炎症を起こさせない働きが期待できるというわけです。

ステロイド成分のはたらき

  • 炎症を起こすタンパク質ができるのを抑える
  • 炎症を抑えるタンパク質をつくる

ただ、ひとくちにステロイド外用剤といってもいろいろな製品があるため、薬局で説明を受けても「どれがいいの?」と迷ってしまう人も多いでしょう。

ここからは、ステロイド外用剤の種類や、年齢レベルに合わせた使い分けについてご説明します。

キチンと、そしてイッキに治すステロイド外用剤とは

薬局で購入できるステロイド外用剤には、下記のようにウィークからストロングまでの成分の強さのランクがあります。

中学生以上であれば、適切な使い方をすればストロングランクを安全に使用できるとされています。

外用ステロイドのランクと対象

年代層
(目安)
赤ちゃん
(2歳未満)
子ども
(幼児~小学生)
大人
(中学生以上)
高齢者
(65歳以上)
ランク ウィーク マイルド ストロング ストロング

※ストロングランクは赤ちゃんや子どもにも使えますが、皮ふのバリア機能が未成熟なため、薬剤が浸透しやすく、ウィークやマイルドランクでも大人にストロングランクを使った場合と同程度の効果が期待できます

皮膚炎・かぶれにはかゆみがつきものです。ガマンできずにかいて皮膚表面を傷つけ、皮膚のバリア機能が損なわれると、ちょっとした刺激で症状が悪化したり、細菌に感染したりします。

皮膚をかかずに済めば問題ありませんが、かゆみをガマンするのは実際には難しいものです。そのためにも、まず初めに充分な効果のあるストロングランクのステロイド外用剤を使用し、かゆみを断ち切ることが重要です。

皮膚をかき壊して皮膚炎・かぶれが悪化し、患部がジュクジュクと化膿してしまった場合には、細菌の増殖を防ぐ効果のある抗生物質の配合されたステロイド外用剤が効果を発揮します。

通常の皮膚炎・かぶれには多くのステロイド外用剤で対応できますが、化膿を伴う症状をキレイに治すには、抗生物質の助けが必要ということです。

正しい知識と使い方で、上手にステロイド外用剤を使おう

ステロイド外用剤を正しく使用するには、対象となる疾患を正しく知ることも大切です。

皮膚炎・かぶれの中には、ステロイド外用剤の対象ではあるものの、治療が長期間にわたる場合など、専門医による治療が必要となる疾患があります。

また、赤いブツブツやかゆみであっても、ステロイド外用剤を使用してはいけない疾患の可能性もあります。

ステロイド軟膏の適応であっても、専門医による治療が必要な疾患 アトピー性皮膚炎、おむつ皮膚炎、乾癬(かんせん)、掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症など
抗生物質配合ステロイド軟膏の適応であっても、専門医による治療が望ましい疾患 とびひ、めんちょう、毛のう炎(にきびを含む)
ステロイド軟膏を使用してはいけない疾患 みずむし、口唇ヘルペス、帯状疱疹、水ぼうそうなど

ステロイド外用剤を使って良いかどうかの判断が難しい場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

たかが皮膚炎・かぶれと捉えがちですが、その原因や症状を理解した上での正しい薬選びが重要なのは言うまでもありません。

そして、短期間でイッキに治すにはストロングランクのステロイド外用剤を用い、ジュクジュクと化膿してしまった場合には、抗生物質配合のステロイド外用剤が適していることを覚えておくと良いですね。

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