教えて薬剤師さん

薬局ではどういう風に相談すればいいの? 掲載日:2009年11月13日

自分の健康を守るには、OTC医薬品(一般用医薬品、大衆薬、市販薬)を賢く活用する「セルフメディケーション」の実践が大事です。とはいっても、実際に薬局でお薬を購入するとき、誰に、どんな風に相談をすればいいのか、きちんと自分の症状にあったお薬を選べるかどうか不安ですね。そこで今回は、薬局の現状についてあらためて正しい知識を持った上で、上手に相談をするためのポイントについてまとめてみました。

気づいていますか?「お薬の販売方法」が変わったこと
お薬には、大きく分けて医療機関で医師から処方される「処方薬」と、処方箋の不要な「OTC医薬品」があるのはご存じですね。処方薬は「処方箋受付」「保険調剤」などの看板が掲げられた薬局でないと受け取れませんが、OTC医薬品は薬局により品ぞろえの豊富さは異なるものの、たいていの薬局で自ら購入することが出来ます。
外出時に「風邪をひいたかな」と感じ、駅前の薬局に立ち寄ってOTC医薬品を購入した、などという経験がある人は多いでしょう。

手軽に購入できるイメージの強いOTC医薬品ですが、2009年6月施行の改正薬事法により、その販売方法の仕組みが変わったのをご存じでしょうか?

まず、OTC医薬品は副作用のリスクの程度の違いによって第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の3つに分類されました(「皮膚のこと、正しく知って正しく治しましょう」を参照)。さらに、薬剤師のほかに、患者さんに対し情報提供やアドバイスをする「登録販売者」という専門職があらたに設けられ、第二類・第三類医薬品については、薬剤師がいなくても登録販売者がいれば販売できるようになったのです。
「そういえば最近、スーパーやコンビニでもOTC医薬品を買えるようになった」とお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。これは、スーパーやコンビニなどの流通各社が登録販売者制度を活用し、OTC医薬品の販売を強化しはじめたためです。

OTC医薬品を購入する場が増えることは、患者さんにとって利便性の面でメリットはあるでしょう。しかし、OTC医薬品は自ら購入できるという手軽さがある一方で、本当に自分に合ったものを購入して正しく使用しないと、十分に効果が得られないばかりか、副作用が発生するといったリスクもあります。そのため、改正薬事法では、販売の場を広げると同時に安全性も確保するため、お薬を販売する側に患者さんへの情報提供やアドバイスを強化する態勢を義務づけたのです。
ここがポイント!より良い薬局を見分けるには
では、具体的にOTC医薬品を販売する薬局ではどのような対応が求められているのでしょうか?

ふだん通い慣れている薬局がある人なら、「売り場の様子が変わった」と感じるかもしれません。というのも、改正薬事法により第一類、第二類、第三類の分類ごとにお薬を置く場所が決められ、店舗のレイアウトを変更した薬局も多いからです。

まず、発毛剤や一部の胃腸薬など、とくにリスクが高いとされる第一類医薬品については、患者さんが直接手に取ることが出来ないよう、カウンター内など直接手に触れることができないような陳列方法に変わりました。その他の薬も、リスクが高いお薬ほど情報提供の場所から近い位置に配置されるため、患者さんにとってリスクの違いが分かりやすくなったと言えるでしょう。

また、患者さんへの情報提供やアドバイスを強化する目的で、あらたに登録販売者の資格を持つ店員を置く店舗が増えています。
「薬剤師と登録販売者で何が違うの?」と疑問に感じる人も多いかもしれませんが、薬剤師は薬科大学や大学の薬学部などで専門教育を受けた上で国家資格に合格した人、登録販売者は1年間の医薬品販売経験を必須条件とし、都道府県試験に合格した人という違いがあります。
いずれもお薬に関する専門的知識を持っていることに違いはありませんが、実際の店舗での販売にあたっては、両者で対応できる範囲が異なっています。

たとえば、もっとも副作用のリスクが高いとされる第一類医薬品については、薬剤師しか対応することが出来ません。第一類医薬品については薬剤師が書面を用い、薬の飲み方や副作用についての情報提供をすることが義務付けられていますが、第二類・第三類医薬品は薬剤師だけでなく、登録販売者も対応が可能となっています。そのため、第一類医薬品を購入するつもりの人は、まずは薬局で薬剤師を見つけて声をかけると良いでしょう。
改正薬事法では名札の着用が義務付けられ、「薬剤師」「登録販売者」などの資格と名前が明記されるようになったため、店舗の中でお薬の専門家を探す目印となります。

こうした販売方法の仕組みの変化にともない、薬局の中でも積極的な対応を実践している店舗は増えているようです。とくに第一類医薬品を販売している薬局はもっともリスクの高いお薬を取り扱っていることから、適切で安全な情報提供やアドバイスを受けられる態勢が整っていると考えて良いでしょう。
第一類医薬品を扱っている薬局では、その旨を店頭に掲示している店舗も多く見受けられます。OTC医薬品を取り扱う店舗が拡大していく中、良いお薬選びのためにも情報提供やアドバイスが充実した薬局を選ぶことは大きなポイントとなるでしょう。
知っておきましょう ~OTC医薬品を賢く活用するコツ
改正薬事法によりあらたにOTC医薬品が分類され、情報提供やアドバイスの態勢が強化されることになったのは前ページでお伝えしました。このような新しい仕組みを上手に利用し、OTC医薬品を賢く活用するためには、どのような点に留意すれば良いのでしょうか。

ポイントとなるのは、「かかりつけ薬局」を決めることです。

「かかりつけ薬局」とは、お薬を購入する際に何度も行ってなじみになっている決まった薬局のことです。薬局側では、患者さんの体質やこれまでに飲んだお薬の情報など、お薬を選ぶ際の参考となる情報を管理しているため、患者さんに適切なアドバイスを提供することが可能となります。患者さんにとっても、ずっと通っているところだと安心して相談が出来るため、お薬選びに積極的に関われますね。

また、これまで処方箋を取り扱う薬局を訪れたときに、「お薬手帳」を作成して手渡された経験はないでしょうか?
これは、手帳という名のとおり、一般的にはポケットサイズの手帳型をしています。過去にかかった病気やアレルギーの有無、副作用の経験、そして処方された薬の名前や飲む量、回数など詳細な情報が書かれた重要な記録で、複数の医療機関を受診している患者さんのお薬の飲み合わせや副作用の確認などに役立っています。

一般的に「お薬手帳」は処方箋を取り扱う薬局で提示し、活用されているのが現状です。ですが、手元に「お薬手帳」があるのであれば、OTC医薬品を購入する際にも「お薬手帳」を持参し、薬剤師や登録販売者に提示をすれば、必要な情報がスムーズに伝わり、自分に適したお薬を選ぶための手助けとなるでしょう。
「お薬手帳」はいわば、セルフメディケーションを実践する上での有効なツールなのです。自分の健康を守るために、活用しない手はありません。
湿疹・皮膚炎のお薬を選ぶとき、どんなことを話せばいいの?
実際に薬局でOTC医薬品を購入するとき、具体的にどのように相談をすれば良いのでしょうか。
湿疹・皮膚炎の治療に用いられるステロイド外用剤はおもに第二類医薬品、その中でも指定第二類医薬品という「とくに注意を要する医薬品」に分類されました。自分で自由に選ぶことは出来るものの、はじめて製品を選ぶときには本当にそのお薬が自分に合っているのかどうか、薬剤師や登録販売者に相談をした上で購入を決める必要があるでしょう。

「お薬手帳」を持っていない場合はとくに基本的な情報から伝える必要がありますので、まずは以下の項目を薬剤師や登録販売者に伝えてください。

  1. 1. アレルギーや副作用の経歴
  2. 2. ほかに使用している薬の有無
  3. 3. 医療機関への通院の有無
  4. 4. 妊娠の有無、など

湿疹・皮膚炎の治療に用いられるステロイド外用剤の場合は、軟膏やクリームなどさまざまなタイプがあります。これらは、症状や生活環境により適しているタイプが異なってきますので、薬剤師や登録販売者に相談の上、自分に合ったタイプの外用剤を選んでもらうと良いでしょう。

さらに、内服薬の場合は一日何回を目安に服用するかといった用法・用量の規定があるのに対し、ステロイド外用剤はいつ、どのように、どれくらい塗るのが適切かは患者さんの症状によっても異なってきます。「適量」といっても患者さんによって捉え方が違うため、よりよい効果を得るためにも、薬剤師や登録販売者に使用方法については詳しく聞いてください。

湿疹・皮膚炎の薬を購入しに薬局に行く場合には、以下のような点をあらかじめチェックしてから行くと、相談もスムーズに運ぶでしょう。

  1. 1. いつから、どの部位に、どの範囲で
  2. 2. かゆみや痛みの有無
  3. 3. 赤み、ブツブツの有無
  4. 4. 思い当たる原因
  5. 5. 過去に同じような症状があったか

このように、薬剤師や登録販売者に十分な相談をして購入した場合でも、漫然と使用し続けるのは危険です。症状が改善しない場合には医療機関を受診する必要があるため、使用期間の目安についてもあわせて確認しておきましょう。

新しい制度の仕組みを理解した上で、積極的にお薬選びにかかわっていく、それは自分の体や健康を自分で守る「セルフメディケーション」の実践に大いに役立つでしょう。

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