Home > 皮膚トラブルの基礎知識

皮膚トラブルの基礎知識

皮膚のしくみと役割

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織という3層からできています。
表皮は最も外側にある薄くて丈夫な層で、細菌、ウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防いでいます。また、皮膚の内側にある筋肉、神経、血管を外傷から守る働きもしています。
真皮は、タンパク質のコラーゲンや弾性線維などの線維成分と間質からなり、皮膚に弾力性と強さを与えています。真皮内には神経終末、皮脂腺、汗腺(エクリン汗腺、アポクリン汗腺)、毛のう、血管があります。
皮下組織は皮下脂肪の層で体を外気の熱さや寒さから守り、クッションのように体を保護する役割と、エネルギーの貯蔵部位としての役割を果たしています。

湿疹・皮膚炎を起こす要素

湿疹・皮膚炎は、外からの刺激と体質など内面的なことが影響しあって起こる炎症性の病気です。
外からの刺激には、物理的刺激(日光、温熱、寒冷、乾燥など)、化学的刺激(化粧品、洗剤、薬物など)、アレルゲン(金属、花粉、ハウスダスト、植物、昆虫など)があります。
内面的なことには、乾燥肌、皮脂分泌・発汗異常などの皮膚の異常や、アレルギー体質(アトピー素因など)、内臓疾患などの全身的異常があります。

湿疹・皮膚炎の発症メカニズム

私たちの体では、様々な刺激に対する防御反応として、免疫システムが働いています。 免疫システムは体を守ってくれる大切な働きをしていますが、過剰に働くことで炎症が起こり、体にとってはむしろマイナスになってしまうことがあります。 これが皮膚で起こったものが、湿疹・皮膚炎です。 免疫システムの中心的役割を果たすのが白血球です。 刺激を受けた細胞は、白血球を呼び集めるために様々な化学伝達物質を放出します。 これらの物質が組織に作用すると、症状となって現れます。 毛細血管が拡張すると皮膚が赤くなり、血管透過性が増大すると毛細血管から血漿(けっしょう)成分が漏れ出し、腫れが起こります。 炎症部位に集まった白血球が更に化学伝達物質を放出するようになると、湿疹・皮膚炎の症状が進行・悪化します。

湿疹・皮膚炎で見られる症状(発疹)

湿疹・皮膚炎で見られる症状は、最初にできる原発疹と原発疹に続いてできる続発疹に分類されます。
症状により外用剤には適した剤形(クリーム、軟膏、ローションなど)があります。
症状を把握し剤形による使い分けをすることが重要です。

湿疹・皮膚炎の経過(湿疹三角)

湿疹・皮膚炎は治るまでに、湿疹三角と呼ばれる経路をたどります。
最初に、皮膚の赤み(紅斑)から始まり、盛り上がったブツブツ(丘疹)、小さな水ぶくれ(小水疱)ができ、さらに膿をもつようになります(膿疱)。その後、時間の経過とともに、ジュクジュクとただれた状態(びらん・潰瘍)から、かさぶた(痂皮)ができ、これらがはがれて(落屑)、治癒に向かいます。一般的にはこれらの症状が混在して見られます。
なお、症状が慢性化すると、皮膚が厚くなり粗くザラザラの状態(苔癬化)になることがあります。 また、湿疹が長引いて色素沈着となることもあります。

湿疹・皮膚炎で見られる症状(かゆみ)

かゆみは湿疹・皮膚炎で見られる特徴的な症状です。
かゆみはヒスタミンに代表される化学伝達物質が知覚神経を刺激し、これが脳に伝わり、かゆみとして認識されると考えられています。